- インプラントの寿命って!?インプラントとは
- インプラントにするメリット・デメリット
- インプラント治療のときに歯医者さん選びのポイント
- インプラント治療の流れ
- 術後の注意事項(食事・生活習慣)
- インプラントの料金
- インプラントQ&A
インプラントの寿命って!?インプラントとは
インプラントの寿命は、一般的に10~15年と言われています。個人差はありますが、入れ歯で4~5年、ブリッジで7~8年と言われていますので、寿命の長い治療になります。
インプラントとは
インプラントとは、体内に埋め込まれる人工器具の総称で、骨折治療のボルトなどもインプラントに該当します。歯科のインプラント治療が広く普及したため、歯科インプラントを「インプラント」と呼ぶことが一般的になっています。
インプラントと差し歯の違い
「インプラント」と「差し歯」の違いをご存じでない患者様は少なくありません。
抜歯をして歯根から歯を失ってしまうと、差し歯の治療はできませんのでご注意ください。
インプラントの場合
インプラントは、抜歯をして歯根が残っていない箇所に、人工の歯根を作り、歯を再建する治療です。
差し歯の場合
差し歯は、歯根が残っている状態が前提で、歯根に土台を作り、歯を再建する治療です。
インプラントにするメリット・デメリット
歯を失った場合、歯根が残っていれば「差し歯」、歯根から失ってしまうと「入れ歯」や「ブリッジ」などの治療が必要になります。どちらも、健康な歯を削ることへの不安や、本来の歯と比べて違和感があることも事実です。このような悩みを解決することが可能な治療がインプラントです。
インプラントにするメリット
自分の歯と同じような感覚で噛める
入れ歯やブリッジの場合、違和感や食べ物が挟まるなど、しっかりと噛めないことで悩んでいる方は珍しくありません。
インプラントの場合は、失った歯の歯根の代わりに土台を顎の骨に直接埋め込み、そこに人工歯を取り付けるため、自分の歯と同じような感覚でしっかりと噛めるようになります。また、インプラントで使われることが多い素材のチタンは骨と結合しやすく、劣化しにくいという特徴があり、強い力にも耐えられるようになります。
審美性に優れている
差し歯は色味が不自然に見えたり、入れ歯は金具が見えたりするなど、人前で歯を見せることが気になってしまう方もいらっしゃいます。
インプラントの場合は、人工歯部分にセラミックなどが使われるため、天然の歯のように自然で美しい状態を保つことができます。
残っている健康な歯への影響がない
ブリッジや入れ歯の場合は、残っている歯を削るなど、健康な歯への負担は避けられません。
インプラントの場合は、一部の治療方法を除いて、残っている健康な歯に負担をかけずに治療が行えます。
健康面・精神面の向上につながる
「しっかり噛める」ことは、脳を刺激し、脳の活性化を促します。また、しっかりと咀嚼できると、唾液の分泌が促され、パロチン(近年注目されている若返りホルモン)の分泌も期待できると言われています。
インプラント治療は、身体的な健康はもとより、精神的な健康の向上にも繋がります。
顎が痩せることが防げる
歯の歯根は顎の骨に埋め込まれているため、歯を失うと顎の骨は次第に痩せていきます。
インプラント治療の場合は、直接顎の骨にインプラントを埋め込むため、刺激が骨に直接伝わり、顎の骨が痩せることを防げます。
インプラントにするデメリット
保険適用外で治療費が高額
原則的に保険適用外となるため、一般的な歯科治療に比べ、治療費がかなり高額になります。また、治療終了後も定期的なメインテナンスが必要で、その度、費用がかかります。
治療期間が長い
挿入したインプラントが骨と結合するまで2ヶ月ほどかかるため、通常の歯科治療よりも治療期間が長くなります。手術以外にも抜歯や経過観察などで5回程度は通院が必要になります。症状にもよりますが、全治療期間が6ヶ月ほどかかる場合もあります。
手術の必要性
インプラント治療は、顎の骨にインプラントを埋め込む手術ですので、麻酔により痛みは軽減されますが、身体への負担はかかります。
持病で薬を飲んでいる場合や妊娠している場合などは、事前に歯科医師までご相談ください。
治療後のメインテナンスは必要
インプラント治療では、治療後の定期的なメインテナンスが必要です。インプラントの定着状態をはじめ、被せ物や噛み合わせの状態などをチェックし、必要に応じて処置を行います。
メインテナンスは3ヶ月に1回程度のペースで受けることをおすすめしています。
感染症リスク
最も注意が必要な感染症は、インプラント歯周炎です。歯周病と同じく進行すると顎の骨を溶かし、インプラントを喪失する可能性があります。
自覚症状が現れたら、すでに病気が進行している場合が多いので、予防のためにも定期的なメインテナンスが重要です。
インプラント治療のときに歯医者さん選びのポイント
インプラント治療は外科手術が必要な治療ですので、リスクを伴う治療でもあります。
安全・安心なインプラント治療を受けるためにも、信頼できる歯科医院を選ぶことが重要です。
治療についての十分な説明
病状、治療方針、治療費、リスクに関する十分な説明を受け、それらを把握・理解した上で治療を受けることが大切です。
吹田市の千里丘にある、かすたに歯科・矯正歯科ではインフォームド・コンセント(十分な説明を行い、同意を得て治療を行うこと)を重要視し、同意が得られるまで治療を行わない方針を徹底しています。
インプラント治療に適した医療設備
安全・安心なインプラント治療を行うためには、歯科医師の知識・経験・技術はもちろん、多くの情報を得ることができるCTや、細菌レベルでの衛生管理など、インプラント治療に適した診察・治療設備が必要になります。
当院では、手術用無影灯を備えたクリーンな手術室をはじめ、安全・安心な治療を提供できる診察・治療設備を整えています。
歯科医師との十分なコミュニケーション
「治療や手術の専門的なこと」「費用や個人的な不安」など、歯科医師には質問や相談をしにくいといった声を聞くことがあります。
当院では、そのような状態で安心して治療を受けることはできないと考えています。
患者様には納得できるまで質問していただき、時間の許す限りわかりやすくお答えしています。
歯科医師の知識・技術・経験
インプラントの手術は、神経の走行や骨の質、全身の状態などを考慮して行う必要があります。また、埋入する骨を増やす治療が必要なケースなど、様々な症例に対応できる知識・技術・経験が求められます。長く機能し続けるインプラントだからこそ、歯科医師の知識・技術・経験が大きく影響することを考慮することが大切です。
インプラント治療の流れ
1カウンセリング
治療の内容や特徴を詳しく説明した上で、患者様からの不安や相談などをお聞きします。他の選択肢との比較、審美性・機能性の回復レベルなど、十分にご理解・ご納得いただけた段階で、次のステップへと進みます。
2精密検査・診断
口腔内検査やレントゲン検査などに加え、CT検査で顎の骨の量や質、神経や血管の位置などを精密に検査し、診断を行います。
歯周病がある場合は、必ず先に歯周病の治療を行い、お口の環境を整えた後にインプラント治療に入ります。
3治療計画の説明
診断結果をもとに作成した治療計画を患者様に説明し、計画に基づいた正確な治療費や予想される治療期間をお伝えします。
治療計画に同意していただいた後、手術へと進みます。
4一次手術
インプラントは、人工歯根と人工歯(セラミックの被せ物)、それを繋ぐアバットメントの3パーツで構成されます。一次手術では、顎の骨に人工歯根を埋め込む手術を行います。
5治癒期間
人工歯根と顎の骨が結合するまで、おおよそ2〜3ヶ月ほどかかります。この期間に、オッセオインテグレーション(骨癒合)という組織的な骨結合で、インプラントと骨が一体化していきます。
審美的に配慮が必要な場合には、仮歯を作成し、日常生活に支障のないよう配慮いたします。
6二次手術
人工歯根の頭部にアバットメント(連結部)を取り付け、1~4週間ほど歯肉の治癒を待ちます。
その後、歯肉の状態を確認しながら仮歯を作成し、清掃性や噛み合わせの調整を行って被せ物の作製を進めます。
7人工歯の作製・取付
型取りをして、最終的な被せ物になる人工歯を作製し、取り付けます。
材質は、噛み合わせ状態、清掃性、審美性を考慮しながら、セラミック、ジルコニア、ゴールド(白金)などの選択肢の中から歯科医師が選定しご提案いたします。
8メインテナンス
治療後は、定期的にメインテナンスにお越しいただきます。
メインテナンスの間隔は、噛み合わせの状態、骨造成の有無、歯周病原菌の有無など、患者様によって異なります。
術後の注意事項(食事・生活習慣)
食事・飲み物について
- 局所麻酔の効果は2〜3時間続きます。手術直後は、麻酔で痛みや熱さを感じにくいため、唇や頰を噛んだり、やけどをしたりする可能性がありますので、食事は避けましょう
- 手術当日は、インプラントの負担になる硬い食べ物は避けて、柔らかい物を食べるようにしましょう
- 食べる時には、治療した側と反対側の歯で噛むようにしましょう
- 刺激物や甘い食べ物、粘度のある食べ物は、1週間程度は避けましょう。特に辛い料理は刺激が強く、痛みや腫れ、出血の原因になります
- 飲酒は、血流が良くなって出血や傷口が腫れる危険性がありますので、1週間程度は控えましょう
- 炭酸飲料や極端に熱い飲み物、冷たい飲み物も刺激になるので、手術直後は避けましょう
生活習慣について
- 睡眠は傷を早く治すためにとても大切です。術後はなるべく身体を休めるよう心がけましょう
- 運動で血流が良くなると、痛みや出血に繋がります。術後1週間程度は、激しい運動を控えましょう。ウォーキングなどの軽い運動でも、術後2〜3日は避けたほうが良いでしょう
- 入浴で体を温めると血行がよくなり、痛みや出血の可能性が高まります。数日間は湯船に浸からず、シャワー程度の入浴をおすすめします
- 歯磨きは、傷口に触れて、治りが遅くなったり傷口が開いてしまったりする可能性があります。抜糸を終えるまでの1週間〜10日程度は、手術した部分の歯磨きは控え、傷口を刺激しないようにしましょう
- 喫煙は、インプラントと骨の結合や傷の治りを遅くし、炎症や歯周病の原因になる可能性があります。禁煙でインプラントの寿命も伸ばせますので、手術をきっかけに禁煙に挑戦されてみてはいかがでしょうか?
術後の痛み・違和感について
インプラント手術で、多くの方が心配されている「痛み」や「違和感」についてご説明します。
術後には鎮痛剤が処方されます
手術直後に痛みがない場合も、麻酔が切れたと同時に痛みが生じる場合があるので、鎮痛剤を飲んでおきましょう。
痛みが治まらない場合はご相談ください
術後の痛みは、通常1週間程度でなくなりますが、耐えられないような痛みや、薬を増やしても痛みが治まらない場合は、当院にご相談ください。抜糸から1~3週間は、違和感や不快感が続くケースがあります。ほとんどは一過性のものなので、気にして処置部分を触らないようにしましょう。
抗菌薬は最後まで飲み切る
術後数日で痛みが治まれば、鎮痛剤は飲まなくても大丈夫です。
ただし、抗菌薬が処方されている場合は、最後までしっかりと飲み切ってください。また、薬の効果を正しく発揮させるためにも、アルコールとの同時摂取は止めましょう。
このような症状は要注意
手術後に湿疹や下痢の症状が出た時は、薬が身体に合っていない可能性があります。また、激しい痛みが続く」「下唇がしびれる」「よだれが止まらない」「鼻血が出る」などの症状が出た場合は、治療部位などに問題が起きている可能性がありますので、我慢せずすぐに当院へご連絡ください。
インプラントの料金
全て税込料金です。
治療内容 | 費用 |
---|---|
精密検査、診断 | 11,000円 |
インプラント手術(1本) | 330,000円 |
サージカルガイド | 55,000円 |
GBR(⼈⼯⾻) | 55,000円〜(範囲による) |
⻭⾁移植 | 55,000円〜(範囲による) |
ソケットリフト、サイナスリフト | 55,000〜110,000円 |
インプラントQ&A
インプラント治療は誰でも受けることができますか?
「20歳未満の方」「重い全身疾患の方」「妊娠中の方」は、インプラント治療ができない場合があります。治療可能かどうか身体の状態を確認した上で診断しますので、一度ご相談ください。
顎の骨が不足しているとインプラント治療は受けられない?
GBR法、サイナスリフト、ソケットリフトなど、顎の骨の再生療法を組み合わせることで、治療が可能になる場合があります。再生療法を行わずにインプラントを埋入すると、長期安定は期待できません。
インプラントは永久に使えますか?
インプラントの寿命は一般的に10年〜15年と言われていますが、40年近く使用されているケースもあります。
長持ちさせるためには、天然の歯と同様に、定期的なメインテナンスと毎日の丁寧なセルフケアが大切です。
インプラント治療のリスクは?
「インプラント周囲炎などの感染症」「神経損傷による麻痺」「血管損傷による多量出血」などがリスクとして挙げられます。感染症の場合は、院内の感染対策と術後の徹底した管理で、神経や血管の損傷の場合は、事前のCT検査で神経・血管の位置を正確に把握することによって、リスクを低減することができます。